5月とは思えない寒さの2010年5月12日(水)、銀ぱち(NPO法人銀座ミツバチプロジェクト)の田中淳夫さんを迎えて、レクチャーを開催しました。
サッポロ・ミツバチ・プロジェクト(以下、さっぱち)のそもそもの始まりは、事務局の酒井が銀ぱちの活動を知ったこと。以来、立ち上げに向けて相談に乗ってくださり、この日はわざわざ関係者へのレクチャーのために来札してくれました。


さっぱちレクチャー~銀座ミツバチプロジェクトの田中淳夫さんを迎えて
【日時】2010年5月12日(水)15:00-17:00
【場所】OYOYOまち×アートセンターさっぽろ(札幌市中央区南1条西6丁目第2三谷ビル6階)
【講師】NPO法人銀座ミツバチプロジェクト 副理事長 田中淳夫氏
【参加者】一般市民、報道関係者、事務局


「ミツバチというのは環境指標動物ということもあり、札幌のまちをよくしていくつながりを作っていけるのではないかと思います」と、黒田委員長から最初にあいさつがありました。
今回のレクチャーは、いち会社が進めるプロジェクトというのでなく、いろんなかたに活発に参加していただきたいと思って開催したという趣旨をまずは簡単に説明。

ところで、この日は田中さんに来ていただきましたが、「銀ぱち」の愛称で知られる銀座ミツバチプロジェクトの活動を、ニュースなどの番組で知っている人も多いのではないでしょうか。銀ぱちでは、2006年3月に銀座のビル屋上でミツバチを飼い始めてからというもの、田中さんも把握しきれないほどのメディアに取り上げられています。そうした中で、街でミツバチを飼う魅力にとりつかれたひとりが、「さっぱち」の事務局、酒井です。

サッポロ・ミツバチ・プロジェクトのこと(事務局:酒井)

「さっぱち」の発端はカラス

「札幌都心でミツバチを飼いたい」。
その、そもそもの発端は、札幌都心部のカラスの問題をどうにかしなければという中で、カラスの撃退効果としてミツバチが良いようだという報道などから、田中さんに相談を持ちかけたことから始まっています。その際、銀座でやっていることはカラスだけじゃない、もっと大人に楽しんで、地域再生とかまちづくりといった取組からミツバチを取り上げていったらどうだろうということを言われ、これは札幌でもなんとかやりたいと考えたのが昨年のこと。
そして昨年11月、太陽北海道地域づくり財団の助成金に応募し、平成22年度の助成対象に選んでいただき後押しをしていただき、このプロジェクトを立ち上げることになりました。

環境教育、食育、商品展開・・いろいろな人が関わるプロジェクトに。

私たちは、ミツバチを都心で飼育することを通して、いろいろな形につなげていきたいと思います。その場を環境教育だとか、また蜂蜜は栄養価の高い食べ物でもあるので、子どもたちの食育の場づくりもしたい。さらに、できれば、採れた蜂蜜をつかって地元の洋菓子店をしているかたとか、いろいろな方と協力して製品開発をしていくことで、少しでも札幌のまちのブランドとして展開していけたらいいなと思っています。
また、ミツバチの蜜源としての花、緑をもっと札幌の街の中に増やしていくことも、ミツバチの活動の場でもあるし、ひいては都市環境に貢献する小さな緑をつないでいくということなどを思い描いています。
そういう活動の中には、いろんな市民のかた、養蜂家のかたとか、地元の小学校の体験学習の場であるとか、いろんなかたが関わり、人のつながりに展開していきつつ、先ほどのカラス対策というのも付加的に現れるかもしれません。

本日のミツバチレクチャーでキックオフの場を持ち、このあと目標としては、5月末くらいにミツバチの巣箱を設置し、6~8月と月一度ずつ蜂蜜が採れる時期にはより多くの方に蜂蜜を採る体験をしていただくワークショップを開いたり、秋口には商品を開発したり、蜂蜜カフェをどこかに開いたりとか、そういうこのを展開していけたらと思っています。
もちろん、関わり方はこれだけではないと思います。日々、ボランティア的に関わっていただける方がいれば、われわれ事務局をサポートしていただく仕組みもあると思いますので広げていきたいなと思います。

巣箱設置は、都心のど真ん中「パーラー太陽」屋上。

巣箱を設置する場所を先ほど田中さんにも見ていただいて、問題ないと言っていただきました。4丁目プラザの隣りに、パチンコのパーラー太陽さんがあります。この屋上が9階くらいの高さになります。以前、ここはスパだった場所で、高いフェンスで囲ってあり緑も植えられていて、場所としても申し分ないので、ここをお借りしたいと思います。
小さいスペースでも実のなる緑を育てることができるので、たとえば巣箱の周りであるとか、そのほか、いろいろなビルの屋上で実りの楽しみ、育ての楽しみをつくる場も作りたいなと思います。

開かれたプロジェクトにしていきたい。

このプロジェクトは、実行委員会という形でいろいろな分野の方に興味を持ってもらい名前を連ねていただいていますが、閉じたものではなく、いろいろな市民のかた、専門家のかたや職人のかたなどに関わっていただけるプラットホームになればいいなと思っていますのでそういう組織体制になっています。

サッポロ・ミツバチ・プロジェクトを「さっぱち」と略称で呼んでいます。これも銀ぱちの真似ですけど(笑)、「さっぱちサポーター」というのを募集してワークショップに参加する方を増やしていきたいと思います。個人でも法人、ブランドづくりと3種類のサポーターがあります。ぜひ、この日来ていただいたみなさんを中心に、周りのかたに声をかけて輪を広げてほしいと呼びかけました。

(続きます)